精神神経学雑誌に田平教授の特集が掲載されました!

Title:地域在住認知症高齢者の手段的日常生活活動に対するリハビリテーション

特集 作業療法・精神科リハビリテーションの現在

精神神経学雑誌 124: 717-724, 2022

 

https://journal.jspn.or.jp/Disp?style=abst&vol=124&year=2022&mag=0&number=10&start=717

 

 本稿では,地域在住認知症等の高齢者の手段的日常生活活動(IADL)の実態やその要因,IADL評価の特徴を概観したうえで,IADLに対するリハビリテーションについて論じた.IADLは,主観的記憶障害や軽度認知障害の段階から服薬管理などの複雑なIADL種目が障害される.生活行為工程分析表を用いて検証すると,例えば調理では,「食材加工」などの手続き的記憶を要する工程は自立度が高いが,「献立」などは低かった.生活行為工程分析に基づいた3ヵ月間のリハビリテーション介入では,生活行為工程分析表やLawton IADLsに有意な交互作用が認められ,特に目標として多かった「洗濯」で顕著であった.IADLを詳細に観察し,残存している認知機能や工程を活かした目標指向的なリハビリテーションは有効であるかもしれない.

抄録より抜粋