認知症に対する生活行為工程分析表(Process Analysis of Daily Activity for Dementia;PADA-D)の開発及び分析に基づいたリハビリテーション介入研究

 新オレンジプランにおける適切な認知症リハビリテーションについては,「実際に生活場面を念頭に置きつつ有する認知機能等の能力を見極め,これを最大限に活かしながらADLやIADLを自立し継続できるよう推進する」とされています.従って,認知機能に伴う生活行為障害の特徴を分析し,各生活行為の中でどのような工程が障害されやすく,どのような工程が残存しやすいかを明らかにすることは,最大限に活かすための介入の焦点化という観点から重要です.大阪大学池田学研究室との共同研究である長寿科学政策研究事業「生活行為障害の分析に基づく認知症リハビリテーションの標準化に関する研究(研究代表者:池田学,H27-29)」において,アルツハイマー型認知症(AD)のADL・IADL低下は認知機能の低下と関連するという明確な結果を得ました.IADLは初期の段階から「服薬管理」,「金銭管理」など高度な認知機能を要する行為が低下するのに対し,BADLではMMSE18点前後から「移動能力」が急速に低下していることを明らかにしました.さらに,認知機能に関連した行為障害を具体的に提示可能な生活行為工程分析表を開発し,各生活行為における低下しやすい工程と残存しやすい工程をADモデルとして紹介しました.

 

 今後は,サンプルサイズを増大し,他の認知症性疾患を含めて対象疾患を拡大して各生活行為の工程障害と残存能力の特徴を疾患別,重症度別に明らかにしていきます.また,生活位工程分析表を用いて低下を予測した工程レベルの介入及び残存能力を生かした介入を実施することで生活行為への介入効果を明らかにしていきます.

 



【共同研究者】

大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室

池田 学

堀田 牧



【評価表及びマニュアルの配布】

 生活行為工程分析表(PADA-D)の評価表及びマニュアルを配布いたします.ご興味を持っていただけましたら,以下のリンクよりダウンロード調査票へのご協力をお願いいたします.調査票への回答後,ダウンロードリンクを表示いたします.

 

生活行為工程分析表(PADA-D)ダウンロード調査票