下木原 俊氏(客員研究員)の論文が日本老年療法学会誌に掲載されました

タイトル:地域在住認知症高齢者のADL能力と要介護度との関連―生活行為工程分析表(PADA-D)を用いた横断的探索研究

 

著者:下木原 俊,田平 隆行,堀田 牧

 

URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgts/3/0/3_2024_002_OA/_article/-char/ja

(フリーDL可能です)


【論文のご紹介】

 

本研究は,地域在住の認知症を有する高齢者を対象に,PADA-Dで評価したADL能力と要介護度との関連性を探索的に検討したものです.

 

PADA-DのADL項目のうち,調理家事買い物洗濯服薬管理金銭管理の項目は,要介護度の重症度判別(介護認定無し・要支援,要介護1-2)に有意な関連を認めました.

 

また,関連を認めたADL項目の下位工程を要介護度の重症度別に検討したところ,

家事:「寝具管理」「ゴミ捨て」

買い物:「目的の売場に行く」「商品選択」

洗濯:「洗濯機に入れる」「スタートさせる」

金銭管理:「日常の現金使用」

の工程では,要介護1-2の認知症高齢者でより障害されていたことが明らかとなりました.

 

本文では,これらの結果からIADLのうち確認・操作・管理の要素を含むADLの工程障害が介護に要する時間の増大となり,認知症を有する高齢者の要介護度悪化と関連した可能性について考察しています.

 

ぜひ,ご笑覧いただき,臨床場面でのPADA-D活用について,ご検討いただければ幸いです.

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文責:下木原(客員研究員/PD)